Share the storyこの商品ができるまで
Behind the products商品の裏側
製造工場①
板金加工：㈲谷合製作所（大阪府八尾市）
1989年に設立し、大阪府八尾市にて、建機を中心とした産業機械から、自動車や半導体分野まで幅広く手がける精密板金工場です。最先端の複合レーザー加工機／ベンダー／スポット溶接機などの加工設備に加えて、キーエンス製の画像測定器・三次元測定器など検査設備にも力を入れ、品質面には強いこだわりを持っています。試作・量産どちらにも対応し、薄物を主戦場に複雑形状の加工を得意にしています。
製造工場②
アルマイト加工：㈱川﨑（大阪府大阪市）
1926年に創業し100年金属の表面処理に携わってまいりました。
創業時は金メッキを主に装飾の表面処理その後、アルミの表面処理のアルマイト処理へとなり、自動車・オートバイ部品、精密機械部品、装飾品、医薬関係、建築金物、弱電部品など幅広く取り扱っております。
職人の想い～㈲谷合製作所～
普段は、機械に組み込まれる部品を手掛けていますが、IBUKIの商品は一般のお客様の手に直接届くものですので、寸法精度はもちろん、特に外観にこだわっています。細心の注意を払って加工し、誰がみても「綺麗」と感じていただけるような質感を目指しています。商品を手に取った際に、丁寧なモノづくりの姿勢が伝わるような、そんな想いを込めて製作しています。IBUKIの商品づくりは、自社の成長にも繋がると思っています。そして、IBUKIが金属加工業の魅力を伝える窓口となり、モノづくりの世界に興味を持っていただけるきっかけになれば嬉しいです。
職人の想い～㈱川﨑～
IBUKIを立ち上げられた垣内兄弟の熱意に、自分の30代の頃の仕事に対する熱量と同じアツさを感じ取りました。創業者より代々、他社で出来ない事、または手間の掛かる品物を効率良く出来るように考え、技術の向上を求めるように言われてきました。今ではアルマイト処理を極める事を信念に品物と向き合っております。弊社のアルマイト処理の技術がお役に立つ事が出来、将来の金属加工業の発展に寄与出来ればと思います。
商品へのこだわり
溶接を使わず、パーツ同士のはめ合いによるBOX形状を可能にするのは、自動車や半導体など、0.05mm単位の精度を要求される現場で磨かれた職人たちの技術。アルミ素材には専用の保護シートを張り付け、加工中の微細な傷を防止。パーツ単体が正確でも、各パーツが組み合わさった瞬間に狂いが出ることもあるため、熟練の職人の目で全数検査を実施しています。
後工程では、誰もが知る大手自動車メーカーや電気機器メーカーの外観部品を手掛ける、㈱川崎様にて、カラーアルマイト加工（塗装ではなく、アルミの表面に皮膜を形成。耐食性・耐摩耗性を向上）を施しています。熟練の職人が液温・濃度・電流・処理時間等の全ての条件を見極めながら、絶妙な色味・質感を引き出します。自動ラインではなく、手作業だからこそできる職人技が詰まっています。
蓋は途中で静かに止まる構造で、開閉時の感触も上質。
プラスチックやレザーとは一味違う、金属ならではのラグジュアリー感と耐久性を兼ね備えた逸品です。
開発の背景
始まりは、IBUKI専務の友人である、フォロワー4.5万人のカード系TikTokerからの一言。
「金属製のデッキケースは市場にほとんどない。機能的でかっこいい金属製のデッキケースが欲しい。」
その言葉を受け、精密板金の匠-㈲谷合製作所様に相談へ。そこで提示されたのは、高い技術力により実現可能な、レーザー加工とベンダー曲げ加工を駆使した、“溶接ゼロ構造”でした。設計・試作の中で、カードゲーマー達の意見も反映させ、ようやく最終形状に辿り着きました。当初、アルミ素材のままでの発売を想定していましたが、「決定的な魅力に欠ける」という違和感がありました。そんな時、「圧倒的な技術を持つアルマイト工場がある」と紹介されたのが、㈱川崎様でした。すぐに川崎社長にご挨拶に伺い、2日後には試作の機会をいただき、短期間で4色のカラーバリエーションが確定。わずかな色味の違いにも妥協せず、アルミの風合いを活かしながらも、個性と高級感を兼ね備えたカラーを作り込んでくれました。
「初めてお会いしたのに、なぜここまで協力してくださるのですか？」
その問いに対し、川崎社長が返した一言——「熱意への共感です。」
㈲谷合製作所様の精密技術に、㈱川崎様のアルマイト技術が重なり、アルミデッキケースはようやく“完成品”と呼べる姿に到達しました。これは、ただの「量産品」ではありません。手にした瞬間に伝わる”重み“はアルミの質量だけでなく、”ものづくりに生きる人々の誇り“そのもの。発案者の「想い」、IBUKIの「情熱」、㈲谷合製作所様の「精度」、㈱川崎様の「美」が一つになって生まれた、技術と魂の結晶です。
