Share the storyこの商品ができるまで
Behind the products商品の裏側
製造工場
切削加工:㈱河内金属製作所(大阪府枚方市)
1957年、大阪府門真市にて創業。 その後、縁あって松下電器産業との直接取引を開始し、レコードプレーヤー部品の受託製造を担いました。真鍮やアルミニウムといった“色もの”部品を中心に、外観の美しさを追求しながら技術を磨き続け、製品の存在感を高めてきました。やがて時代はCDへと移り変わり、レコード部品の製造は幕を閉じましたが、当社は量産専門工場から少量多品種にも対応できる「二刀流」へと進化。柔軟な生産体制を確立しました。現在は枚方市・津田サイエンスヒルズに拠点を移し、企業としての信用力を飛躍的に向上。多くのお取引先様から必要とされる存在として、さらなる挑戦を続けています。
職人の想い
私たちが日々手掛ける部品の多くは、機器の奥深くに組み込まれ、姿を見せることなく役割を果たしていきます。 そのため、実際に何の部品で、どのように使われているのかを知らぬまま、ただ精度を守る事だけを信じて削り続けることも少なくありません。しかし近年は、外観品ではない部品であっても見た目への要求が厳しくなり、職人の技術と美意識が試される場面が増えています。今回のIBUKIからの依頼品――真鍮製の一輪挿しは、まさに「美しさ」が最重要視される品。IBUKIのコンセプトを忠実に具現化できるよう加工条件を突き詰め、工具を厳選し、一切の妥協なく仕上げました。その輝きは、ただの金属加工品ではなく、職人の誇りと矜持を映し出すものとなったのです。この一輪挿しだけでなく他のIBUKIの商品を通じて、単なる部品製造にとどまらない、金属加工の奥深さと様々なプロセスを知っていただくことができれば、との思いで参画させてもらいました。
商品へのこだわり
この一輪挿しの外観は、「切削仕上げのみ」で実現しています。
モノづくりに携わる方であれば、その技術力の高さが一目で伝わる逸品です。
真鍮の美しさを最大限に引き出すため、使用するのは通常とは異なる特別な刃物。光沢、面の滑らかさ、曲線の美しさを際立たせるために選び抜かれた工具と加工プログラム、仕上がりの細部にまで徹底的にこだわる加工技術が、置くだけで空間に凛とした存在感をもたらす輝きを生み出します。
シンプルな形状の中に宿るのは、長年培われた加工技術と素材への深い理解。余計な装飾を排し、真鍮のそのものの色味と光沢が自然に際立つよう設計されており、光の当たり方や見る角度によって表情が変わるのも魅力のひとつです。
さらに、真鍮ならではの経年美化も楽しめます。使い込むほどに色味や風合いが変化し、落ち着いた深みを帯びていく。その変化は、季節ごとに咲く花のように、時の流れとともに育つ美しさです。
製品が生まれたときの煌びやかな輝きから、時を経てまとう静かな風合いへ。
その移ろいこそが、四季折々の花を挿す一輪挿しという用途にふさわしい、IBUKIならではの美意識を体現した逸品です。
開発の背景
真鍮の商品を㈱河内金属製作所様とともに作りたい──。
IBUKIの構想を始めた当初から、その想いは強くありました。BtoB事業をとおして多くの工場と関わる中でも、技術・品質・対応のすべてにおいて、河内金属製作所様には絶大な信頼を置いています。その中でも真鍮加工の美しさは群を抜いており、業界内でも誰もが認める抜群の仕上がりを誇ります。
ある日、親会社の㈱垣内螺子商会を含むグループで長年お世話になっている税理士事務所の担当の方から、「一輪挿しがあれば、妻にプレゼントしたいなぁ」という言葉をいただきました。さらに、真鍮に含まれる銅イオンが花を長持ちさせるという話を聞き、「真鍮で一輪挿しを作ろう」と決意しました。デザインは、真鍮の美しさを最も引き立てる“シンプルイズベスト”。余計な装飾を排し、素材そのものの輝きと造形の美を際立たせました。
既存事業の中で、「㈱河内金属製作所様の真鍮製品の美しさを知っていた」からこそ、この商品は確信を持って生み出すことができました。これは、日頃からモノづくりに深く入り込んでいるIBUKIならではの開発スタイル。そして、IBUKIのコンセプトを象徴する、“この工場とだからこそ”実現した逸品です。