Share the storyこの商品ができるまで
Behind the products商品の裏側
製造工場①
切削加工:㈱ミネヤマ精機(京都府京丹後市)
1987年の創業以来、半導体分野等の高精度部品の切削加工を得意としております。また、「SUS(サス)でサスガと言われたい」というスローガンのとおり、ステンレス材の加工においては、外観・寸法精度等、こだわりを持って加工に取り組んでいます。㈱峰山鉄工所という鍛造加工を行っている親会社もあり、鍛造~切削まで一貫対応が可能であることも弊社の強みです。
製造工場②
鏡面研磨加工:㈱ナノクリエート(大阪府東大阪市)
半導体製造装置部品をメインに鏡面研磨加工を行っています。要求レベルが高い半導体分野の中でも、さらに極めてシビアな部品の加工を行っており、その分野で「ナノクリエート基準」と呼ばれる程の技術を有しています。全て手仕上げで研磨加工を行っており、使用する工具や研磨材は独自で開発、技術顧問(工学博士)との連携等、研磨への探求を続ける「研磨の匠集団」です。
職人の想い~(株)ミネヤマ精機~
創業以来、寸法精度はもちろん、見た目の美しさにもこだわって加工を行ってきましたが、普段は作った製品がどこに使われているのか分からないことがほとんどです。
IBUKIの商品は、お客様の顔を思い浮かべながら製作できる。その実感が、私達にとって大きなやりがいになっています。これまで磨き続けてきた切削技術を、商品をとおして社会に届け、お客様に喜んでいただければ嬉しいです。
IBUKIのコンセプトには深く共感していますので、これからも一緒に、様々な商品づくりに取り組んでいきたいと思っています。
IBUKIをとおして、金属加工業の魅力や町工場の存在、そして地域の力が、より多くの人に伝わっていく。そんな広がりを信じて、これからも技術と心を込めたモノづくりに向き合っていきます。
職人の想い~㈱ナノクリエート~
弊社は、従来精密機器部品(半導体製造装置部品)の最終仕上げを行っています。寸法、面粗度、鏡面度、納期に追われながら、従業員が日々一生懸命作業をしてくれています。ただ、IBUKIの商品製作に関しては、皆が笑顔で、時には真剣に、製作工程を自分たちで模索しながら、作業するじゃなく、何か一つの作品を造るかの思いで取り組んでいます。BtoCの商品に携わるのは初めてですので、思いを込められるモノづくりに新たな楽しさを感じています。この様な環境を作ることは難しく、若者離れが多くなかなか定着しないモノづくり業界に一筋の光が差したような気がします。これからも、IBUKIの製品に携わりながら、社内全体が活気ある会社になる様に取り組み、笑顔と感動を届けられるモノづくりをしていきます。
商品のこだわり
一般的な金属製ぐい呑みは、金属板をプレスで引き延ばして成形する「絞り加工」や、溶かした金属を型に流し込んで成形する「鋳造加工」で作られます。しかし、これらの製法では、寸法精度や形状にどうしても制限が生じます。
一方、IBUKIのぐい呑みは、丸棒から削り出す「切削加工」によって製作されています。μ(ミクロン)単位の精度で加工できるため、均一な厚みと滑らかな曲面を実現。さらに、表面の光沢や金属特有の質感も、切削加工ならではの特徴です。
中でも特筆すべきは、飲み口の厚さわずか1mmという極薄仕上げ。
滑らかな曲線形状でこの薄さを保つには、切削加工においても極めて高度な技術が求められます。
この難題を可能にしたのが、半導体分野をメインにμ単位の超精密加工を手掛ける㈱ミネヤマ精機の技術力。
職人が一つひとつ機械にセットし、細部にまで神経を研ぎ澄ませながら丁寧に仕上げています。
さらに、鏡面研磨加工の匠 ㈱ナノクリエートにて内側に鏡面研磨加工を施し、表面の凹凸をなくすことで、日本酒やウイスキーがクリアな味わいとなります。
外側の切削仕上げと内側の鏡面研磨仕上げ。
加工方法の違いによる外観の違いも見ていただくことで、金属加工の奥深さをご堪能ください。
作り手の技術と魂が宿る逸品。日常の一杯を、特別な時間に変える器です。
開発の背景
IBUKIの構想を説明するため、弊社が㈱ミネヤマ精機様を訪問した際のことです。
「金属加工業にスポットライトを当てる」という考えに強く共感くださり、話はどんどん前向きに進みました。その中で、平田社長が「そういえば」と、2012年に京丹後市の功労者に送られる記念品として作った製品を見せてくれました。それが、現在のぐい呑みの原型となる別形状の製品です。
金属製ぐい呑みは、絞り加工で作られるものだと思っていたため、切削加工で作られていることに衝撃を受けました。
その仕上がりの美しさに一目惚れし、その場で「IBUKIで商品化しましょう」と話が進み、15年の時を経て再び商品化されることに。さらに「せっかく作るなら新たな挑戦を」と、形状を検討し直し、極限まで薄く仕上げる試みも行われました。
そして、本商品は従来のぐい呑みに 内径鏡面研磨 を施した新バージョンです。
この発想が生まれた背景には、㈱ナノ・クリエート様の存在があります。ナノ・クリエート様は、半導体などの超精密領域での内径鏡面研磨を手掛けるスペシャリスト。IBUKIのバングルやリングなどでもその高い技術力を発揮していただいています。
そんなナノ・クリエート様の鏡面研磨加工により、内側と外側で異なる美しさの実現し、なおかつ表面の凹凸をなくすことで、よりクリアなお酒の味わいを楽しめるのではないかと考えました。
切削で極限まで薄く仕上げられた器の内側を、さらに鏡のように磨き上げるには、素材の状態、厚み、熱の逃げ方、工具のわずかな振動——そのすべてを考慮する必要があり、品質を安定させることは至難の業です。
ナノクリエート様ならではの技術力と、何度も繰り返した試行錯誤の末に、商品化にたどり着くことができました。
これは単なるバリエーションではなく、IBUKIの想いに、ミネヤマ精機の切削技術 × ナノ・クリエートの鏡面研磨技術が重なり合ったことで初めて生まれた、共創の逸品です。